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母乳調査・母子支援ネットワークより第2報

母乳調査・母子支援ネットワークより、第2報が届きました。

母乳の放射能汚染が現実に起きているということは、汚染地域では吸入、食物、水などの経路で、住民に内部被ばくが起きているということです。

特に汚染地域の住民の内部被ばくの実態把握が急がれます。

今後、内部被ばく防護のためのあらゆる方策をとらなければなりません。

特に妊婦・乳幼児、子どもたちは、食物、水に留意するとともに、吸入からの内部被ばくが起こりうる地域から待避する必要があります。

以下、母乳調査・母子支援ネットワークからの第2報を転載します。

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3月11日に発生した福島原発震災は、生態系への未曾有の放射能放出を続けています。事故発生後2ヶ月の間に、福島県を始め東北関東の広い範囲が放射能に汚染され、住民が継続的な被ばくを強いられて生活しています。

また、広く放射能汚染が拡散された状況の中で、特に内部被曝のリスクは十分考慮されておらず、食品や水等の暫定規制値も非常に高く、住民が内部被曝のリスクから身を守る事ができない状況を作り出しています。

チェルノブイリ原発事故の後5年が経過しても、ロシアのブリャンスク州汚染地域の母乳206サンプル中20%程度にセシウム137の許容値(37ベクレル/リットル)を超える汚染がありました。21年後2007年のベラルーシのブレストストリンスク地区の母乳調査でも、許容値を2~3倍超えるものが見つかっています。チェルノブイリ事故による四半世紀にわたる汚染の悲劇を繰り返してはなりません。

このような中、私たちは、母乳の放射能汚染の実態を調べるために、有志で『母乳調査・母子支援ネットワーク』を立ち上げ、福島県・茨城県・千葉県のお母さんから母乳を提供していただき、検査を開始しました。その結果、9検体中4検体に、放射性ヨウ素が検出され、私たちの懸念が裏付けられる結果となりました。

4月21日、厚労省記者会見で、調査結果を発表するとともに、福島県・茨城県・千葉県のお母さんたちにさらなる母乳検査へのご協力を呼びかけました。

各地から多数のお問い合わせがあり、上記3県に加え、栃木県・東京都の方からも母乳の提供をいただきました。17日現在で述べ103検体です。

5月17日までに検査結果の出ている49検体(最初の9検体を含む)の検査結果を公表いたしました。

(別表参照)


私たちは、母乳の放射能汚染状況の調査が、以下の点で大変重要であると考えます。

1、母乳から乳児への内部被ばくのリスクを知る指標となります

・・・細胞分裂の活発な乳幼児の放射線感受性は成人にくらべて3~10倍と言われていること、内部被ばくに関して閾値は存在しないということが認められていること、から、乳児の内部被ばくの状況を把握することは大変重要な意味があり、母乳中の放射性物質のデータはそれを知る重要な手がかりとなります。

 

2、母体の内部被ばく状況を知る重要なデータとなります

・・・放射能汚染地域の住民の内部被ばく状況を把握するための、尿・血液・ホールボディカウンターによる測定等々のデータとともに、母乳検査データは、重要な内部被ばくの指標となります。

 

3、内部被ばくの経路について推定することで、内部被ばくを避けることにつながります

・・・居住地や行動パターン、食生活などの情報から内部被ばくの経路について推定することは、きめ細かな空間線量・土壌汚染・飲料水・食品の放射能汚染調査とともに、内部被ばく防護策を講じるための重要な手がかりとなります。

 

4、将来、子どもや成人に起こり得る健康障害の原因解明と治療のための、重要なデータとなります

・・・将来何らかの健康障害が起こってきた場合の、原因解明と治療に有用なデータとなります。また必要な救済策を求める場合に有用なデータでもあります。

*母乳は母親から赤ちゃんへ免疫を伝える大切なものです。そのために一人一人の母乳が安心して飲ませられるのか?放射能の汚染がないか?確認したいと思うのです。

 

母乳調査・母子支援ネットワークは、

関係各機関および市民のみなさまへ、以下のとおり呼びかけます。

放射能汚染が広がっている地方自治体(都道府県および市町村)は

早急に母乳の全数調査および追跡調査を実施してください。

母体の内部被ばくの経路に関する調査・分析をあわせて行い、調査結果の速やかな公表をお願いいたします。

調査結果に基づき、内部被ばくの予防と、放射性物質排出の促進を目的として、住民に対する適切な情報提供・指導を実施してくださいますようお願いいたします。

 

厚生労働省・農林水産省等の関係機関は、

内部被ばくのリスクを適切に考慮し、現在の野菜・肉・魚・乳などの食品および水等についてきめ細かな放射能汚染調査を実施し、データを速やかに公開してください。

調査結果に基づき、暫定基準値、年間の被ばく許容限度等を早急に見直すことを、要請します。

農林水産省は、魚への放射性物質の生物濃縮を認め、海洋汚染の実態を調査してください。

 

国および地方自治体は、

母乳汚染の高い母子に対し、内部被ばく低減のためのあらゆる対策(安全圏への避難も含む)を早急に実施してください。

 

□福島県、茨城県、千葉県、東京都など、放射能汚染のある地域で母乳育児中のお母さん方、

母乳調査にご協力ください。 お住まいの自治体に対し、母乳調査実施を求めてください。

 

◆全国の皆さま、

当該地域の母乳調査が実施されるよう、また困難な状況の中で子育てするお母さんたちをサポートいだきますよう、ぜひご支援をお願いいたします。母乳検査費用に対してもご協力をお願いいたします。

<寄付金の振込先>

ゆうちょ銀行 普通預金 店番218  記号12170 番号7008999(他銀行からの場合)

ゆうちょ銀行 普通預金 店番218  記号12170  番号70089991(ゆうちょ銀行からの場合)

口座名: 母乳調査・母子支援ネットワーク

 

◆母子保健福祉医療にかかわる専門家、心理職者、法律家および

内部被ばくのリスクを憂慮するすべてのみなさまへ、

母乳調査・母子支援ネットワークへのご参加を呼びかけます。内部被ばく、乳児の内部被ばくによる健康被害のリスクは、科学的に未解明なことが多く、この問題に対して答えをもつ専門家はおりません。しかし、未曾有の放射能流出が現実に進行し、放射能汚染が続く地域で内外被曝のリスクを負いながらの生活を余儀なくされている人々のために、専門の枠を越え、専門家と素人という壁をも越えて、科学が答えを出さない問題にどう対処していくかについて、模索し支えあうネットワークが必要です。ぜひ、私たちと共に、ネットワークを育ててくださいますよう、よろしくお願いいたします。

 

母乳調査・母子支援ネットワーク (bonyuu_tyousaあっとyahoo/co.jp)

5月18日厚生労働記者会、19日福島県政記者クラブにて発表

 

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