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母乳調査・母子支援ネットワークより、記者会見報告と支援のお願い

会見の様子が新聞・テレビなどで報道されましたが、私たちの
訴えたかった内容が十分に伝わらず(会見内容が一部カットされたため)、
多くの方に不安を抱かせてしまったこと、
またウェブ上へすぐに内容を掲載できなかったことを、
まずお詫びいたします。

さて、私たち「母乳調査・母子支援ネットワーク」は、4月20日に福島、21日に東京で、それぞれ記者会見を行いました。

20日、福島県庁記者クラブでは、地震により移動した庁舎の会見スペース(廊下)で、私たちの会の発起人2人が会見しました。また21日、厚生労働記者会会見室では、同じく発起人5人が会見しました。メディアからは約40社が参加し、関心の高さがうかがわれました。

チェルノブイリ周辺では、5年も経過して母乳の検査が開始され、
約20%に許容量(37ベクレル/kg)を超えるセシウムが検出され、
21年経過しても約10%にセシウムが検出されたそうです。

日本政府の放射線審議会は、国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告を受け、
「国内の母乳の放射能汚染に関する実態調査は行われるべきであり、
乳児に対する防護措置を検討すべきである」と2011年1月に定めましたが、
何ら母乳の調査を行なってきませんでした。

私たちは、3月に起きた福島原発事故の当初から、
福島県内の放射線量の高い地域で、乳児に飲ませるには高い放射能値の母乳が
あるのでないかと心配して、調査を始めました。

また、野菜等でやや高い数値が出ている周辺の県も対象とし、
関連団体ウェブサイトや人づてのよびかけによって母乳提供の協力をいただき、
民間原子力関係機関に依頼して、文科省認定の方法による検査を実施しました。

その結果、原乳(牛乳)や野菜・水と同様、母乳にも放射能汚染があることが明らかになりました。

 

検査結果

*セシウム134,137は全検体で不検出

検体番号(居住地)    採取日 ヨウ素131(ベクレル/㎏)

検体1(つくば市)     3月24日 8.7

検体2(つくばみらい市) 3月24日 不検出

検体3(守谷市)      3月24日 31.8 →3月30日(再検査) 8.5

検体4(白石市)      3月25日 不検出

検体5(つくば市)     3月30日 6.4

検体6(柏市)        3月30日 36.3 →4月4日(再検査) 14.8

検体7(棚倉町:福島県南部山間)4月3日 不検出

検体8(福島市飯野町:3/14西日本へ避難)4月7日 不検出

検体9(郡山市)       結果まち

 

私たちはこの結果を受け、
急ぎ「母乳調査・母子支援ネットワーク」を立ち上げました。
福島県内の放射線量の高い地域についての検査を実施し、その結果、支援が必要となる母子への支援態勢を整えるためです。
市民のネットワークだけではなかなか広がらず、検体はまだ少ないものの、
マスメディアの力も借りて原発事故被災地の住民および全国の皆さんに広く情報を届けたいと考え、
記者会見を行いました。
この結果、多くのお母さんたちからの問合せが殺到しています。

「母乳調査・母子支援ネットワーク」は、
市民のネットワークの力で母乳の放射能汚染のデータを持っておきたいと考えます。
過去に原爆症、水俣病、カネミ油症、薬害等々、国の研究は被害者である住民を守るものではなく、
長年被害者を苦しめる側にありました。
今もって母乳の調査がされていない、または発表されてないということは、
国は内部被曝の証拠が消えるのを待っているのでしょうか。

母乳調査は、目には見えない内部被曝の実態を唯一目に見える数値にする指標ともなります。
いろいろな食べ物や環境、生活パターンなどを併せてデータ化することは、
貴重な内部被曝の実態とその原因・対策を考えるきっかけにもなると確信します。

また、お母さんが希望されることを皆さんに支援していただき、
実現したいと考えています。
検査結果によっては、避難や、安全な水・粉ミルクや野菜などを提供する態勢も必要です。
何ができるか検討したうえで、必要とされる支援について呼びかけていきますので、ご協力をよろしくお願いいたします。

 

*今後の検査実施について

全国から多数の問い合わせがありましたが、
4月20日までに、福島・茨城・千葉県からの約20件の母乳提供のお申し出があり、検査を実施する計画を決めました。
ヨウ素の半減期の関係で、数値が低いと予想される地域では、検査しても検出されない可能性が高いことから、
21日以降は、福島県の放射線量の高い地域を優先して進めることとしました。

 

*お母さんたちへのアンケート調査の実施について

母乳の放射能汚染に、水・食べ物・空気・土壌など、どんな要因が関係するのかを調査するため、
母乳を提供してくださったお母さんたちにアンケートを実施し、公表していきます。

 

~ご支援のお願い~

全国の皆さまに、母乳調査・母子支援へのご寄付をお願いいたしします。
母乳検査の費用は、1検体1万5千円(23日までの3万円を改定いただきました)かかります。
不安に思いつつも検査を受けられるお母さん、子どものための支援を希望されるお母さんたちの要望に、
できるだけ応えたいと思います。
なにとぞこの活動にご理解をいただき、ご支援をお願いできましたら幸甚に存じます。
ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 

<寄付金の振込先>
ゆうちょ銀行普通預金 記号12170 番号70089991   母乳調査・母子支援ネットワーク

 

母乳調査・母子支援ネットワーク

発起人 村上喜久子(食と環境の未来ネット)
宇野朗子(ハイロアクション福島原発40年)
大石光伸(常総生協)
大賀あや子(福島原発30キロ圏ひとの会)
河田昌東(チェルノブイリ救援・中部)
黒部信一(小児科医)
向井雪子(チェルノブイリ子ども基金)
村井和美(常総生協)
村上麻衣(母乳育児中の主婦)

 

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